春日部の税理士が伝える「不動産所得とは?計算方法から節税のポイントまで詳しく解説!」

税理士法人アンシア春日部オフィス責任者

税理士 福山 裕司

東京国税局をはじめとする複数の税務署で徴収・法人課税・調査業務などに従事し、税務大学校や人事部での経験も積んだ税務のスペシャリストです。令和元年より税理士法人に参画し、現在は税理士法人アンシア春日部オフィスの責任者として活躍。思いやりと誠実さを大切にしながら、独創的な提案を通じて企業や個人の成長を支援します。NFL観戦や読書を趣味とし、日々自己研鑽に励んでいます。

プロフィールの詳細はこちら

目次

はじめに

不動産を活用した収入には魅力がたくさんありますが、「不動産所得」について正しく理解し、計算方法や節税のポイントを押さえることが成功のカギです。特に以下のような課題を抱える方には、この記事がお役に立ちます。

  • 家賃収入を得ているが、どのように税金を計算すればよいかわからない。
  • 必要経費として認められる項目を知りたい。
  • 節税のために活用できる制度やコツを知りたい。
  • 青色申告や不動産所得の具体的なメリットを理解したい。

この記事では、不動産所得の基礎から具体的な計算方法、節税のテクニック、さらに注意すべきポイントまでをわかりやすく解説します。不動産所得を上手に管理し、賢く節税する方法を一緒に学びましょう!

不動産所得とは?

不動産所得とは、土地や建物、駐車場などの貸付けによって得た利益を指します。具体的には、以下のような収入が該当します。

  • 賃貸住宅の家賃収入
  • 駐車場の賃料収入
  • 礼金や更新料

この収入から必要経費を差し引いた金額が、不動産所得となります。

不動産所得の計算方法

不動産所得の計算は、次のシンプルな公式に基づきます。

不動産所得 = 総収入金額 – 必要経費

総収入金額

家賃や礼金、共益費など、賃貸事業で得たすべての収入を指します。

  • 家賃(月額10万円 × 12か月) = 120万円
  • 礼金収入 = 20万円

  総収入金額 = 120万円 + 20万円 = 140万円

必要経費

賃貸物件の運営に必要な支出を経費として計上できます。以下が代表的な例です。

  • 固定資産税:10万円
  • 管理費:5万円
  • 修繕費:15万円
  • 借入金利息:20万円

必要経費合計 = 10万円 + 5万円 + 15万円 + 20万円 = 50万円

不動産所得の計算例

  • 総収入金額 = 140万円
  • 必要経費 = 50万円

不動産所得 = 140万円 – 50万円 = 90万円

不動産所得の規模により所得金額が異なる?

不動産所得が「事業的規模」として扱われるかどうかは、税法上で重要なポイントです。事業的規模に該当すると、青色申告控除や専従者給与など、節税に有利な制度を活用できます。

事業的規模の判断基準

事業的規模かどうかの判断は、国税庁が示す以下の基準によります。

住宅の貸付け⇒5棟以上

部屋の貸付け(アパート・マンション)⇒10室以上

これを満たす場合、不動産所得は事業的規模として扱われます。


判断基準の補足事項

貸付け物件の種類

  • 「棟」とは建物単位(戸建て、アパート、マンションの1棟)を指します。
  • 「室」とは部屋単位(アパートやマンション内の1部屋)を指します。

複数物件の合計で判定

  • 異なる場所に複数の賃貸物件がある場合でも、総数で基準を満たせば事業的規模とみなされます。

規模が満たない場合

  • 5棟または10室未満の場合は、事業的規模に該当しません。この場合、専従者給与や青色申告控除の一部が適用されません。

補助的な判断要素

規模が基準ギリギリの場合、以下の補助的要素も考慮されます。

貸付けの継続性・反復性

単発の貸付けではなく、安定して賃貸収入を得ているかが重要です。

業務の実態

管理業務や修繕を自分で行っているか、管理会社に委託しているか。

人的設備

家族や従業員が物件の管理や運営に関与しているかどうか。

物的設備

設備投資の規模や保有する賃貸物件の設備状況(駐車場や倉庫などを含む)を考慮。

これらを総合的に判断して、事業的規模に該当するかどうかを決定します


事業的規模で得られる主なメリット

事業的規模に該当すると、以下の制度を適用できるようになります。

青色申告控除

  • 最大65万円の控除が適用可能(複式簿記を利用した場合)。
  • 赤字の繰越控除(3年間)が利用可能。

専従者給与の経費計上

  • 家族や従業員に支払った給与を経費として計上できます。

不動産所得で賢く節税する方法

青色申告を活用

事業的規模に該当して、青色申告を行うと、以下の節税効果を得られます。

最大65万円の控除

専従者給与の経費化

賃貸用固定資産を取壊しした場合の資産損失を経費化

賃貸料等の回収不能による損失は、回収不能になった年分の経費計上が可能

赤字の繰越控除

減価償却費を最大限活用

建物や設備の価値を年単位で減価償却することで、毎年一定額を経費に計上できます。

小規模企業共済を活用

個人事業主向けの退職金積立制度で、掛金は全額所得控除が可能。

資本的支出と修繕費の区分を明確化

  • 修繕費:経費に計上可能(例:壁紙の張り替え)。
  • 資本的支出:減価償却が必要(例:屋根の全面改修)。

    不動産所得で注意すべきポイント

    家事使用分の区分

    自宅兼事務所の場合、事業で使用している割合を明確に計算します。

    空室リスクへの備え

    収入が減少しても、固定費は発生します。リスク分散の計画が必要です。

    税務調査への備え

    • レシートや契約書をきちんと保管。
    • 経費計上の根拠を記録しておく。

    まとめ:不動産所得を効率よく管理しよう!

    不動産所得を正確に計算し、節税のテクニックを活用することで、税負担を大幅に軽減できます。青色申告や減価償却費の適用、必要経費の漏れ防止を徹底して行い、不動産経営をスムーズに進めましょう!

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    コメント

    コメントする

    目次